詩人になりたかった僕たちへ

詩とは、こころの涙なのでしょうか。

かがみの国

 

ぼくの見たもの 

何一つとして

傷つくことがないように

かがみの国に仕舞ったよ

 

あちらはこちら

こちらはあちら

本物なんて見抜けない

誰にも触れない無傷の楽園

 

よくやった!王様よ

この国くらい堅牢な

カンペキな場所はあるものか

 

仕舞って仕舞ってさぁ仕舞え

二度と感じてなるものか

包んで隠して仕舞っとけ

次から次へと放り込む

 

あの太陽もニセモノさ

かがみの国に温度はない

あの海も空も鳥も花も木も虫も

お母さんもお父さんも

 

逆さ 逆さま なんかいびつな気がするけれど

ミナイフリシタ コトサエ ミナイ

ミナイ キカナイ カンジナイ

 

逆さ 逆さま かがみの国

この国の王様 わたしだけ

誰も入れない 無傷の楽園

 

二度と泣けない 無傷の楽園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出口は、一緒にさがします。

気がついた時そこを出ることも見つめることもあまりに苦しいから。

堅牢であればあるほど間違ってしまう。

もう一度泣くことができますように。

松井絆