詩人になりたかった僕たちへ

詩とは、こころの涙なのでしょうか。

2021-01-01から1年間の記事一覧

a sad night

哀しみが私を作り上げた? そう感じることに もう うんざりしているけれど悲しみが私を創り上げた 歓びではなく? 私はどこにいる償い切れないという幻想 断ち切れない錆びた鎖の束 溺れて沈んでいっても その先も その先も 深海はまだ深く 深海は続いてゆく…

空き地の音(ね)

広い 空き地の真ん中で とてもよい音のする楽器を 吹いている人がいる空に抜けるように 風に乗るように その楽器の音が 街に届いてゆく帽子を被ったその人は 広い空き地の真ん中で ただ一人 大きな空の下で たった一人で音を奏でるその背中は小さくても 僕に…

私という船

大海を静かにゆく 私という船が 僅かな波すら立てずに 聞こえるのは天体の音だけ比較対象もなくて 進んでいるのか景色は 動いているかしかし私の心は知っているスピードでもない 波紋でもない見えているものが 道標ではなく いま感じている静かな鼓動が 船を…

設定

シンプルな機械ほど操作がむずかしい 複雑なものは 手順もそれなりで意外とそれほどは迷わない この心にも設定ボタンがあればな いいのにな 松井絆

太陽を浴びた布団のにおい 涙があふれて こぼれてくる しつこいくらいなんども なんども 松井絆

僕は

だから僕は詩人になろう枯渇してしまった孤独を砂漠で潤そうどこまでも追ってくる嵐に焼かれよう いつかこのすべてをタイムカプセルにして埋めようだれも知らない場所に沈めて だれの目にも触れずに消える少し卑屈だろうか 引き裂いてしまいたいのだすでに引…

かなしみとしあわせと

「幸せとは」っていう主題は 人によってちがうから それに対する返答は なんだっていいのだけれどどうして 自分にとってのそれが わからなくなるんだろうねぇ ものすごく ふしぎだよ 松井絆

スナバ

公園の砂場で 気付いたら お尻も着けて真剣だなぜか分からないけど とにかく掘って 砂を 土を さわってよごれて固めて 固めて 何かを作りたい 下の方はひんやりしてて 新しい感じ 上の方は乾いてて さらさらしている何か作りたい 何か作りたい 松井絆

さかさのかさ

きいろとか 水玉もようや 透明の傘 逆さにして はしゃいでる逆さまの花みたいだよ 寒くないのかな全身をこわばらせて 防御だけしてる 苛立ちながら 身体が冷えてくああ 雪を集めてるの ああ 楽しくて 嬉しいんだね同じ世界に生きてるの 笑わないぼくは 愚か…

「わたしにできることなど何も無い」

迷路と 罠と 不安を多用した 特製のオーダーメイド いい趣味とは云えぬ この道程はしかし返品交換が 可能であるという 必要なのは 自らの意思ただそれのみ己にできることなど何も無い これは絶望などではない 真逆の魔法である 松井絆

愛しのルカシェンコ

今日も 愛しのルカシェンコ 広場で踊ろよ ルカシェンコ いつものお歌 聴かせておくれ 聴かせておくれ 聴かせておくれ皆が待ってる ルカシェンコ 拍手を打って 待っている ポスター1枚 20フラン 画家の傑作 リトグラフ笑顔でお出まし ルカシェンコ フリルたっ…