詩人になりたかった僕たちへ

詩とは、こころの涙なのでしょうか。

僕は

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だから僕は詩人になろう
枯渇してしまった孤独を砂漠で潤そう
どこまでも追ってくる嵐に焼かれよう

いつかこのすべてをタイムカプセルにして埋めよう
だれも知らない場所に沈めて だれの目にも触れずに消える
少し卑屈だろうか

引き裂いてしまいたいのだ
すでに引き裂かれたものを表現しなくては
僕の存在が まるで嘘みたいじゃないか

大海を身一つで漂うことと
海水が尽きてしまったかつての海に立ち尽くすことと
どちらを選ぶかだって?

選択肢はどこへ消えた
選択肢はどこへ消えた

霧もないのに景色は判然としない
見えているものすべて動きを失ったようだ
色があるのに色がない

僕は一人風化してしまうかな
だから僕は詩人になろう
青いと思える空を探して

 

 

松井絆