詩人になりたかった僕たちへ

詩とは、こころの涙なのでしょうか。

私という船

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大海を静かにゆく
私という船が
僅かな波すら立てずに
聞こえるのは天体の音だけ

比較対象もなくて
進んでいるのか

景色は 動いているか

しかし

私の心は知っている

スピードでもない
波紋でもない

見えているものが
道標ではなく
いま感じている静かな鼓動が
船を 動かしていること
船は 進んでいるということを




松井絆