詩人になりたかった僕たちへ

詩とは、こころの涙なのでしょうか。

菊香 思へよ

可憐であるのか
強靭であるのか
はかなさと 健気なまでの
その姿

侘しさを抱える者
貧しさをただ嘆く者
孤独に
打ちひしがれる者
すべて 我なり

菊香 思へ
単純なる 研ぎたての刃の煌めきのような
にほひ にほへ
その鼻孔から胸へと
ゆっくりと
吸収すると 良い

あの花弁を思へ
完璧なよわさの体現
永久をもたらす厚みよ

菊香に寄って
癒やされしたましいが
また咲くのを思ふ

 

 

 

 

 

 

重陽節句に寄せて‥

あなたさまに溢れる豊かさを願っております。

松井 絆